節税をしないのは協力者への冒涜である。

節税をしないのは協力者への冒涜である。

 よく顧問先に相談されることの一つに「節税」があります。ですので、今週はよくある税についての相談に対する回答強化週間にしようと考えています。

 では、まず、節税すべきかどうか?についてです。結論から言えば、「すべき」です。ただし、節税ではなく「脱税」は完全NGになりますからお気を付けください。

 それと、節税にもレベルがあって、あまりやりすぎるのもよくないですし、やらなさすぎるのもよくありません。かなり際どい難易度の高いものや、労力がかかるものもあったりしますが、これはオススメしません。

 なぜなら、これをやろうとすると、国税局から目をつけられたりするし、労力がかかりすぎて本業どころではなくなるからでです。なので、節税するにしても「適切」なレベルにとどめておくことをオススメします。

 

 しかしながら、私が今まで多くの中小企業経営者にお会いしてきて感じることは、節税に対してあまりにも無頓着であることです。稼ぐことには目を向けるが、「出費」に関して目を見張っていないケースがかなりあります。

 統計的なデータはないが、あくまでも感触として、10人ぐらいの経営者に初歩的な節税手法である「中小企業倒産防止共済に入ってるか?」と質問すると、6~7割がた「加入していない」といった答えが返ってきます。大変もったいないことです。

 

 例えば、稼いだ1億円に対し、何もしなければ、法人でいえば3~4割が国や地方公共団体などに税として収めなければなりません。個人で言えば約半分が税金です。汗水流して、苦労して、稼いだお金を簡単に失ってしまうのです。実に1年の4分の1~5分の2は「タダ働き」という計算になります。

 会社経営であれば、これらの利益はあなただけの稼ぎではありません。従業員たちの頑張りもあるし、利益にはお客さんの出費も含まれているのです。それらをなんの対策もせずに国にアッサリと渡してしまうのは、彼ら(協力者)に対する冒涜とも考えられます。

 だったら、節税をした分を従業員の給料に反映させたり、価格を下げてお客さんに還元したり、設備投資して商品力を強化したりした方がよいでしょう。だから、協力者や関係者のためにもある程度の節税はすべきなのです。

(何度も言うがやりすぎはよくない。脱税も完全アウト。)

 

 税金には大きく分けて二種類の側面があります。1つは「手数料」です。道路や警察、日本語などを使って商売をさせていただく「手数料」としての役割です。日本は世界的に見て大変恵まれています。日本語だけで1億人に向けて商売ができてしまう、大変稀有な国なのです。昨今、グローバル化がどうのとかもてはやされていますが、「そこそこ」のお金持ちになるのに、日本ほど恵まれている国はありません。

 なぜ、他国が英語を学ばなければならないのかというと、マーケットが小さいからです。例えば、お隣の韓国は日本の約3分の1の4000万人ぐらいしかいません。だから、歌手やアイドルがデビューする際、マーケットを考えるとどうしても「英語」などの外国語ベースで考えなければ採算が取れないのです。

 韓国はまだ恵まれていて、その他、人口が何千万人、何百万人しかいない国はごまんとあります。例えるなら、東北弁や沖縄弁の方言だけで、その地域で商売しろと言われているようなものです。なので、必然、マーケットを広くとれる「英語」をマスターすることが死活問題になってくるのです。

 

 ですが、ここ日本は恵まれていて、日本語だけで十分やっていけてしまいます。(これが返って日本人を骨抜きにしてしまった要因とも考えられるのですが・・・)さらに、警察や裁判所なども他国に比べて比較的しっかりしており、商売もしやすい環境が整っています。

 例えば、詐欺や盗難が横行しても誰も罰しなかったり、暴力を誰も抑止しなかったり、借金を簡単に踏み倒せるような法律ばかりだったら、商売をしようがありません(実際にそういう国もある)。

 だから、それらを整えてもらうための「手数料」として、税金を払うのは当然のことだと考えています。

 

 しかし、もう一つの側面は「罰金」です。これには賛否両論があるでしょう。税金は罰金の側面もあるのです。どういう罰金でしょうか?

「あなたが経営者として上手にお金を使えなかったよね。だったら、私たちが代わりに上手に使ってあげますよ。」というものです。

 経営者として、設備投資や雇用をして、お金を循環させればそのほとんどが経費として認められ、税金の支払いは先送りされます。税金とは、ある種、それをやらなかった罰金とも考えられます。手元にお金を残しておこうとすると、国はガンガン課税をしてきます。

 

 では、どうすればいいのでしょうか?適切な「投資」をしていくことで、「利益」を先送りにし、結果として、図らずも「節税になってしまう」ことを狙えばいいのです。わざわざ節税を目的にしなくても、適切な経営をやっていれば、結果として節税と同じ効果につながってきます。

 ということで、今日のところは、節税や税に対する考え方について述べました。次回以降より具体的な手法等について解説していきます。

鷲津辰巳

ファイナンシャルプランナー。小規模企業経営者向けに資産形成などのファイナンシャルプランニングを行っている独立系FP。著名雑誌にて「お金の専門家」として監修紹介されるなど、多方面で活躍中。

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