資本主義を攻略したければバランスシートではなく「アンバランスシート」にすること

資本主義を攻略したければバランスシートではなく「アンバランスシート」にすること

 バランスシートとは貸借対照表のことです。貸借対照表とは財務諸表の1つ。ある一時点の企業の財政状態を表すものです。左側(借方)には「資産」を、右側(貸方)には「負債」と「資本」があります。

 たとえば、資産の欄には土地や現金など、負債の欄には借金などがあり、資本の欄には資本金などがあります。そして、バランスシートの面白い点は、必ず左右(借方と貸方)が左右対称で「バランス」が取れる点です。(本来の意味は、バランス=残高の意味になります)

 負債が増えれば、資産も増えます。借金をしたら、銀行口座に資産として「現金」が書き加えられるなど。この二面から書き加える「複式簿記」の形式は、かの有名な文豪ゲーテも絶賛しているぐらいの優れものです。

 

 そして、この財務諸表である貸借対照表をいかに「きれい」にしていくかは、経営上非常に重要で、この見栄え次第で、銀行の融資がどれだけひっぱれるかが決まったりします。上場企業であれば株価にも関わってきます。だからこそ、経営者は「きれい」な財務諸表を目指してしまいがちです。

 が、もし、会社を軌道に乗せたいなら、「バランス」された財務諸表を目指してはなりません。特にベンチャーや新規事業は「アンバランス」な財務諸表を目指すべきなのです。何もこれは「左右」のバランスのことを言っているのではなく、全体の「見栄え」のアンバランスさのことを指します。

 たとえば、ある友人は、輸入業で大成功を収めています。しかし、彼は最初はかなり危険な綱渡りをしていました。なんと、資本の「全額」を「商品」購入に充てていたのです。

 つまり、貸借対照表の左側(借方)は、「商品(仕入れ)」ばかりで占められています。右側(貸方)は、「買掛金」ばかりで占められています。これはとても見栄えのよい貸借対照表とはいえません。経理や顧問税理士が見たら泣いてしまうかもしれません。「バランスが悪すぎる!」と。

 しかし、結果はどうなったでしょうか?彼は大成功しているのです。確かに全額を「仕入れ」に充てるのは一般的には危険性が高いでしょう。本当は少額から仕入れたり、国内商品をバランスよく揃えた方が安全そうです。もしくは、いろいろな事業を同時にやった方がよいかもしれません。

 

 

 ところが、彼はそれをしませんでした。「全額」を「仕入れ」に充てたのです。しかも、「一商品」にです。非常にアンバランスなバランスシートでした。ところが、面白いもので、この「アンバランス」さが、実は「突破口」につながるのが資本主義社会というゲームの特徴なのです。

 たとえば、「さかなくん」が魚以外の鳥や爬虫類に詳しかったら、あそこまで有名にはなっていないでしょう。「魚」の一点のみに集中する「アンバランス」さが突破口を開いたのです。

 今回のお話はあくまでもバランスシート「全体」のバランスさを崩すことを伝えたかったわけで、左右のバランスが対称になるという貸借対照表の原則を崩すものではないことを補足しておきます。

レジェンド・オンライン編集部

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