Passive income=「不労所得」は誤訳。

Passive income=「不労所得」は誤訳。

「不労所得」って誤訳じゃないか?

今、金持ち父さんで有名なロバートキヨサキシリーズの本の原著(英語)を調べています。

金持ち父さんシリーズで有名なフレーズに「不労所得」があります。

要は、「働かなくても入ってくる収入」「寝てても入ってくる収入」「何もしなくても入ってくる収入」というニュアンスです。

これを読んで、不動産オーナーや、MLMに走った人も多いかもしれません。

しかし、原著を読んでみて、不思議に思ったのは「不労所得」なんてどこにも書いてないということ。

“パッシブインカム(Passive income)”と書いてあるのです。

Passive income?

これって日本語に訳すと「受動的収入」じゃないでしょうか。

「不労所得」とはニュアンスがかなり異なります。

どう違うのかというと、「農業」と「狩猟」の違いに似ているのです。

農業って不労所得でしょうか?確かに受身的なリターンではあります。

田畑を耕して、お日様に育ててもらって、時間をかけて収穫を得るわけです。

が、ここに不労所得のイメージはほとんどありません。

「モテる」というのにも狩猟的なモテ方と、農業的モテ方があります。

狩猟的なモテ方とはわかりやすくいえば、ナンパしたり、たくさんアプローチして収穫を得る人。

農業的モテ方とは、時間をかけて、ダイエットをしたり、メイク力を磨いたり、ファッションの研究をしたりして、結果として「声をかけられる数」を増やしてモテる人です。

どちらもモテるがスタンスが異なります。

が、ここでも「不労的モテ方」とは言わないはずです。

「家で寝転がって、鼻くそほじって、ポテチを食べながらでもモテる」ってニュアンスではありません。

ということで、「不労所得」=Passive incomeは、誤訳だと私は断言できます。

不動産収入などは決して不労所得ではありません。

きちんと収入を得るために、知恵を働かせ、影で様々な働きかけを施しています。

これが原因で、なんだか「金持ち父さんシリーズ」全般が一気に怪しくなってしまった感が否めません。

と同時に、怪しい勧誘のためのキラーフレーズとして使われてしまいました。

日本人には「不労所得の方が売れる」となめられてしまったのかもしれません。

原著を読むことは大切だと改めて実感しました。

そして、自由を得たいなら、不労所得を目指すのではなく、パッシブインカム(受動所得)を目指しましょう。

鷲津辰巳

ファイナンシャルプランナー。小規模企業経営者向けに資産形成などのファイナンシャルプランニングを行っている独立系FP。著名雑誌にて「お金の専門家」として監修紹介されるなど、多方面で活躍中。

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